※当サイトの記事には、広告やプロモーションが含まれることがあります。

(COBS ONLINE – 06月20日 12:10)-記事引用
「甘いものは別腹!」、「気づけばお菓子に手が伸びていた。あとで後悔……」といったことは、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。
我慢をしないで、かつ、太らないように食べる方法はないものでしょうか。
そこで、「健康で一番大切なのは食習慣」と言う糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博先生にお話をうかがいました。

■食後のデザートには和菓子を
ダイエットの敵とは知りつつ、食事のあとでどうしても我慢できないのがデザート。
福田先生は、デザートの選び方についてこう話します。

「まず、洋菓子よりは脂肪分が少ない和菓子がオススメです。洋菓子には、バターや砂糖、生クリームにナッツ……など高カロリーの材料の組み合わせで出来ているものが多くあります。例えば、おはぎは約130キロカロリー、みたらし団子1本は約100キロカロリー、たい焼きでも1個200キロカロリーほどです。洋菓子の場合は、タルト類は約350キロカロリー、パイ類は約450キロカロリーで、大きめのショートケーキであれば400キロカロリーを超えるものが大半です。和菓子と洋菓子の違いは一目瞭然(りょうぜん)ですね」
どうしてもケーキが食べたいときはどうすればいいのでしょうか。

福田先生は、
「バターたっぷりのタルトやパイよりも、約200キロカロリー弱のシフォンケーキや、約150キロカロリー前後のスフレタイプのチーズケーキを選びましょう。最悪は、我慢のしすぎで数日後に高カロリーのスイーツをドカ食いしてしまうことです」とアドバイスします。
また、 「一日の活動で使う消費カロリーより、摂取した食事の総カロリーのほうが多くなると、その分は脂肪として体内に蓄積されます。
まずたまるのがおなかの中、内臓脂肪として蓄積されます。
毎日の活動に見合うだけのカロリーをとることが、食習慣の基本なんです。
栄養バランスの崩れやカロリーの摂(と)り過ぎは肥満、糖尿病、メタボなどを引き起こし、血液がドロドロに、血管が硬くなるなどの健康を害することにつながります。
食べ過ぎが気になる人は、今の自分の消費カロリーと摂取カロリーをチェックしましょう。
この二つの数字を知っていれば、スイーツを食べるにしてもカロリーが控えめなものを選ぶ、スイーツのサイズを小さくする、カロリーがオーバーした分はほかの食事で調整するという気持ちも起こるでしょう」(福田先生)
どうしても食べたいときには我慢しすぎず、自分の食生活やライフスタイルに応じたカロリーを計算することが鍵となりそうです。

■スナック菓子は「手ばかり」で分量をコントロール
つい間食をしてしまうポテトチップスやチョコレートなど、スナック菓子の食べ過ぎ予防についても福田先生はこう言います。
「お菓子は、『片方の手のひらにのる分量』まででとめておくことです。食べる前にその『手ばかり』を使って取り分け、あとは封をしてしまいましょう。たとえばポテトチップスなら片方の手のひらに軽くのせて20g=10枚くらい。これで120キロカロリーです。この『手ばかり』の場合、揚げおかきなら200キロカロリーになります。一日の摂取カロリーの目安は男性で1,600~1,800キロカロリー、女性で1,400~1,600キロカロリーですから、手のひらにのった分量のポテ トチップスや揚げおかきだけで一日のカロリーの約10分の1近くを食べることになるわけです。一日に必要なカロリーの目安は、身長(m)×身長 (m)×22で求めることができる適正体重に、22~25をかけたものです。一日の摂取カロリーのなかでおさまるように摂(と)ることが重要です」
具体的に数字を示されると、スイーツやスナック菓子のカロリーの高さには驚いてしまいます。

■カロリーゼロの表示に注意!
最近、「カロリーオフ」や「カロリーゼロ」、「ノンカロリー」と表記された製品をよく見かけますが、本当に、カロリーはゼロなのでしょうか。
福田先生は、
「カロリーゼロとは『健康増進法』に基づく表示で、『食品100ミリリットルあたり5キロカロリー未満であれば、カロリーゼロ、ノンカロリーと表記してもよい』、と決められています。
ですから、まったくカロリーがないとは限りませんので注意してください。
また、カロリーゼロの食品なら問題ないか、というとそうともいいきれません。
実は『カロリーが低く甘い食べ物を食べ続けると甘みの味覚刺激に対する反応が 次第に鈍くなり、逆に甘み食品への食欲が進んで過食になってしまう。
その結果、体重が増加する可能性が高い』という研究結果も報告されています。
カロリーゼロなどの表示に過剰に反応すると、ダイエット失敗の原因になることがあります」と注意を促します。

■ドリンクもカロリー表示のチェックを
スイーツを食べる際は、ドリンクにも気をつけなければなりません。
福田先生は、次のように解説します。
「野菜ジュース、缶の紅茶、コーラ、スポーツドリンクの中で、一番カロリーが高いのはどれだと思いますか。350ミリリットル入りの場合、野菜ジュースに は分包シュガー(1本3g入り)が3本と3分の1、缶の紅茶は5本、スポーツドリンクには7本、コーラには12本が入っている計算になります。また、野菜ジュースはカラダにいいと思われがちですが、おいしいそれには、りんごなどの糖分が多く含まれています。果物に含まれる果糖は、中性脂肪を増やして内臓脂肪の増加を促進します。ボトルに記載されているカロリーをチェックしてください」
高カロリーのケーキと缶の紅茶やコーラをセットで飲むと、1日分のカロリーを摂取してしまうことになりかねないのです。気づけばあっという間に身についてしまう脂肪も、落とすのは簡単ではないというのが現実。福田先生に教えていただいた知識や食べ方を意識し、健康を目的として毎日の生活でコツコツと実行することこそがダイエットの本質であるように思います。

監修:福田正博氏。
糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。
「ふくだ内科クリニック」(大阪市淀川区。新大阪駅すぐ。https://www.mog.gr.jp/)院長。
名医として数々のメディアで紹介され、著書の『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書 780 円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書 756円) はどちらも話題です。
(岩田なつき/ユンブル)