筋トレをして、食事も3食、プロテインも摂取しているのに、なぜ体重が増えないのでしょうか?カロリー摂取量がカロリー消費量を上回っているのに、体重が増加しない理由について考えてみましょう。
食べ物を摂った後、細胞に栄養が届くまでのプロセスを三つの段階に分けてみます。
- 消化
食べたものを胃で分解します。タンパク質も胃酸の中でペプシンという消化酵素によって分解され、アミノ酸に変わります。この段階で消化酵素が不足していると、消化吸収がスムーズに行われません。 - 吸収
分解された栄養素は十二指腸や小腸に運ばれ、そこで吸収されます。胃が適切に働かない場合、吸収が不足する可能性があります。 - 代謝
栄養素が細胞に届き、エネルギー、筋肉、脂肪に変換されます。しかし、食べたもの全てがこれらに変わるわけではありません。これらの段階がしっかりと行われていても、体重が増えない場合、下記の要因が影響している可能性が高いです。
【太りたい方へのアドバイス】
今回も「Part2 【太りたい】胃腸が弱い方が筋トレよりも、プロテインよりもまずはこれが大切。」の抜粋。
【参考】Part.1 増量するための栄養管理とは
【前回のおさらい】
筋肉の成長は3つの条件がある
①筋トレを行う
②しっかり栄養を取る
③休養を取る
1.消化と言えば胃
様々な栄養素に加え、タンパク質も胃の中で分泌され、胃酸の中にあるペプシンという消化酵素で消化されアミノ酸になります。
分解されたアミノ酸は十二指腸や小腸へと運ばれていきます。
胃が充分に働からず、消化酵素が分泌されていないと消化吸収まで出来ないことになります。
胃の働きを弱める原因は、
- 過度なストレス
- 睡眠不足
- 暴飲暴食
- 早食い
- アルコール
- 喫煙
- ピロリ菌
と言った様々な原因が考えられます。
この項目に該当する方は、胃の働きが弱まっている可能性があります。
消化酵素のペプシンはタンパク質の一種
ペプシンという消化酵素もタンパク質から構成されています。
食事をしっかり取っていても、タンパク質が不足するとペプシンが不足することになります。
ここで矛盾する事が起きます。
タンパク質の多い食事を摂ると、胃が持たれたり、消化不良、お腹が張るという方が居ます。
プロテインパウダーで「お腹が張る、消化不良を起こして下痢や便秘になる」と言う方。
様々な食材にアレルギーが無いかなどの問題はありますが、普通の消化不良を起こしてしまう方へのポイントとしては、ちょっと面倒ですが、自分の消化能力を超えないギリギリの範囲でタンパク質を摂取していく必要があります。
胃酸が分泌されていないからと言って、素麺や菓子パンと言った消化の良いものばかりを食べているとタンパク質どころか他の栄養素も充分に摂れません。
すると消化酵素のペプシンをより作れない悪循環にハマってしまいます。
まずは悪循環に陥らないように自分の消化能力を超えないギリギリの範囲でタンパク質を摂ることを考えてください。
【一度の食事でのタンパク質量とは】5:12
食事で摂るべきタンパク質の量は、1回の食事で30~50gと言われています。
これは人それぞれであるため、自分の年齢、性別、除脂肪体重、生活強度から推定値を算出します。
【参考】自身の推定タンパク質必要量とは
体重を増やせない方は一般的な量を消化吸収出来ないことになりますので、この必要量から徐々に減らして自分の摂れるタンパク質量を実測することになります。
プロテインパウダーでタンパク質量を増やしてみたところ消化不良になった方も同様に、タンパク質をゼロにするのではなく、少しずつ飲める量を上げていく意識を持ちましょう。
理論的に体は消化器系でも負担を掛けなければ、消化能力も上がるはずです。
先に上げた条件「胃の働きを弱める原因」は可能な限り減らすことが条件です。
【その他のポイント】6:10
①よく噛んでゆっくり食べる
②食べすぎない
③内蔵を冷やさない
④水溶性食物繊維も摂る
2.吸収について『腸』
腸に負担をかける食材とは
- 加工食品
- アルコール
- 精製された糖質
- 乳製品
- 添加物
- ストレス!?
のことであり、全く影響を受けない人もいます。
太りたいと思っていてさらに胃腸が弱い人は最も注意すべき項目と言えます。
小麦製品のグルテンが腸に穴を空ける!?
その中でも胃腸の調子が悪い人が注意してみるべき食材は小麦製品。
胃腸が弱い方たちの中には、腸で炎症が起きたりダメージを受けることがあります。
その原因は、小麦タンパクの一種であるグルテンが消化不良を起こし胃腸へ負担をかける事があるのです。
これら症状は胃腸の弱い方、調子の悪い方に多く見られる特徴で、パンケーキを想像してみてください。
作るときに小麦粉と水や牛乳を混ぜ、その時に粘り気が強くあります。
その粘り気はボールに張り付くようになるのですが、腸内でもその状況が起こっているとイメージできると思います。
グルテンの性質で腸の壁にへばりつくと、消化不良を起こしやすい状況が整います。
特に胃腸の弱い方はその状況ができやすいと想像されます。
グルテンはタンパク質の一種であり構造上ギザギザしているため、腸壁に穴を空けることもあります。
このように、腸に見えないミクロの穴が空いた状態をリーキーガット症候群と言います。
リーキーガット症候群とは
「リーキー=漏れる、ガット=腸」という意味で、小さな穴から本来血管の中に入らないはずの毒素や未消化のタンパク質、栄養素が体の中にめぐります。
体の免疫細胞が敵と勘違いをして攻撃することで体の至るところで炎症が起きます。
勿論町の中でも炎症が起きてしまうので、栄養の消化吸収が上手くいかずに細胞に栄養が届きません。
【リーキーガット症候群の対策】
消化不良を起こす食品を見つけるための対策とは、ご自身がこれだと思われる特定の食材を2~3週間抜いてみましょう。
乳製品や加工食品、精製された糖質、小麦製品など何によってご自身が影響を受けて腸が消化や吸収に影響を受けているのかを判断できるかも知れません。
【確認作業】
ある特定のその食材を抜いた後にもう一度その食材を食べてみて、体調不良が起きればやはりこの食材が良くなかったんだと分かります。
一定期間抜くことで免疫細胞が反応しなくなります。
一生食べられないのかと言ったことではありませんが、体に合わない(消化吸収に影響を与える)のであれば普段からその食材の量は調整しなければなりません。
徐々に食べられるようになることもありますので、徐々に増やしていくと良いかも知れません。
【SIBO(小腸内細菌増殖異常症)とは】
このリーキーガット症候群以外にもSIBO(小腸内細菌増殖異常症)というのがあり、本来大腸内にいるはずの腸内細菌が小腸の方へ来て、小腸で増殖してしまった状態のこと。
健康に良いと言われているはずの納豆やキムチ、漬物、お酢といった発酵食品を摂った後に異常にお腹が張るという方は、もしかしたらSIBOという症状かも知れません。
SIBOの場合は、専門医に相談することをおすすめします。
本来発酵食品は体に良いものですが、腸の状態が良くない人にとっては逆効果になることもあります。
腸内で発酵しやすい食材を高FODMAP、発酵しにくい食材を低FODMAPと言い、腸が弱い方はできるだけ低FODMAPの食事を心がけましょう。
【SIBOの対策】
- 発酵性の糖質を控える。
(高FODMAP食) - よく噛む。
- 常に食べている状態を作らない。
- 夕食は軽めにする。
- 発酵食品は摂りすぎない。
【最後のまとめ】
腸に炎症を起こすようなものを食べない。
- 小麦製品を控える。
- 発酵食品を控え、低FODMAP食品を摂る。
3.届けるについて『血液』11:50
血液がドロドロの状態だと各細胞に栄養が届きません。
そのため血液も常にサラサラの状態が理想だと言えます。
ここで血液がドロドロになる原因を考えてみましょう。
【血液の状態が悪くなる例】
- 当分の高い食品を食べる
- 水分不足
- 中性脂肪値が高い
- コレステロール値が高い
- 喫煙による血管の収縮
- アルコールの利尿作用
こういった行為は血液の状態が悪くなるので、避けることで血液のドロドロが改善されます。