激しい運動をした直後に筋肉をマッサージすると、細胞レベルでは炎症を起こす物質が減り、痛みが和らぐとともに、細胞内でエネルギー生産などを担う小器官「ミトコンドリア」が生成され、回復を促すとみられることが分かった。
マッサージ効果の詳細解明=細胞でミトコンドリア生成―加大学
カナダのマクマスター大などの研究チームが実験で解明し、2012年02月05日までに米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに発表した。
マッサージと乳酸の関係
マッサージをめぐっては、疲労の原因となる乳酸が除去されるとの見方がこれまで強かったが、マッサージの前後で筋肉細胞の乳酸量はほとんど変わらなかった。
研究成果は筋肉の張りや痛みをより効果的に治療する技術の開発に役立つと期待される。
ミトコンドリアを意図的に増やす方法が!?細胞レベルで回復力を上げる!
疲れにくい体のカギ、スタミナを左右するのは細胞内の「ミトコンドリア」。
これを増やすことが、活力や持久力を向上させるきっかけになりそうです。
ミトコンドリアは細胞の中にある細胞小器官で、その働きは「体を動かすエンジン」とも言われることがあります。
カロリーと表現されるエネルギーの減量となるATP(アデノシン三リン酸)を産生することがミトコンドリアの主たる機能で、食事から得た糖や脂肪が持つエネルギーは、ATPでなければ生体内でエネルギーとして使用されません。
その他ミトコンドリアは活性酸素の放出や免疫炎症のコントロール、細胞のアポトーシス(自然死や自滅)のコントロールをしています。
ミトコンドリアは30代以降から急激に減り続け、若い頃のような馬力が出なくなりますが、「エネルギー不足の状態」をわざと作ると増やせることが分かってきました。
同じ運動を続けていると体が慣れ始めますが、これは細胞内のミトコンドリアの数が増えて糖や脂肪がエネルギーに変換されやすくなるため。
カナダの研究者によると、70代でも運動する習慣がある人のミトコンドリア量は20歳の平均とほぼ同じだったそうです。
ちょいキツ目の運動がミトコンドリアを増やすスイッチを入れる!
運動をするとミトコンドリアが増えるのは、細胞内でATPの量を監視する酵素がATPの増産をするためにミトコンドリアの分裂スイッチを入れるため。
細胞内には「細胞内のATPの量」を監視する酵素がありますが、ATPの不足を察知すると酵素が働き出し、ミトコンドリアが分裂を始め増えます。
この原理を利用して運動を繰り返すことで、意図的にミトコンドリアを増やすことができます。
例えば運動ならたった3分間自分が「ちょいキツい」と感じる程度の運動で十分な効果が得られます。
「試してガッテン」ではインターバル速歩が紹介されました。
インターバル速歩とは
毎日1万歩のウォーキングをした結果血圧を下げる効果は得られず、また持久力も下がった研究結果があるそうです。
ミトコンドリアを増やし、持久力を向上させるためにはウォーキングではなく少し辛いと感じる程度の運動がおすすめ。
インターバル速歩とは3分おきにウォーキングの速度を変える方法のこと。
まずはゆっくりとした3分間のウォーキングを行い、次の3分間は軽く息の切れるウォーキングを行います。
これを交互に合計30分行うと血圧が下がり、持久力の向上も確認されたそうです。
ゆっくりとしたウォーキングも息が切れない程度でしっかりと歩き続ける必要はあります。
目安は1週間に最低1時間程度。
個人差はありますが、健康な体で長生きするには「週に150分の運動を行い、そのうち20~30分は激しく体を動かすのがよい」そうです。
HIIT(HIT)はミトコンドリアを増やすためのトレーニング!?
勿論「少しきつい」よりも「超きつい」運動のほうがミトコンドリアの量は増えるそうです。
この運動原理は高強度インターバルトレーニング(HIITもしくはHIT)と同じと推察されます。
【補足】高強度インターバルトレーニングとは
ミトコンドリアの量は正しい姿勢を保つだけでも変わる!?
正しい姿勢では体中の筋肉を使うため、正しい姿勢の維持が運動になるようです。
実際に姿勢が良い人の方がミトコンドリアの量は多い傾向にあるそうです。
ミトコンドリアを通して姿勢と筋肉、筋肉と体力の関係があると分かります。
【補足】正しい姿勢とは
ミトコンドリアは食事でも増やすことができる
さらには、食事のカロリーを抑えたり、空腹の時間を長くとることでもミトコンドリアは増えてきます。
プチ断食でミトコンドリアが増加
カロリーを制限してエネルギーが不足する環境と作ると、ミトコンドリアが増えます。
1日1食減らし、摂取エネルギーを70%ぐらいまで抑えてみたり、週に1度だけ1食にしてカロリーを30%などプチ断食を行うとミトコンドリアの数が増えます。
ミトコンドリアの働きを助ける栄養素とは
ミトコンドリアの働きを助ける栄養素は、タウリン、ビタミンB郡、鉄分です。
タウリンはイカやタコ、牡蠣(かき)に含まれます。
【補足】サプリメント
ビタミンB群は「ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類」を指し、水溶性ビタミンのため一度に多く摂取しても尿で出てしまいます。
そのため定期的に摂取し続ける必要があります。ビタミンB群は様々な食品にそれぞれが含まれるため、多くの食品を摂取するしかありません。
【補足】サプリメント
鉄分は、アサリの水煮缶詰、豚レバー、アサリの佃煮、星ひじき、鶏レバーなどです。
【補足】サプリメント
この様にスポーツ栄養学に関しては連鎖的に情報が必要となり、情報は無限大です。
自分の環境で出来ることを増やす思考が良いでしょう。