②野球部の練習メニュー「トレーニング要素の分析と実践」
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野球は特に個人技を集めたスポーツと言われ、常に集団でなければできないスポーツではありません。
常にグラウンド全面を使う必要はなく、バッティングネットや僅かなスペースなど最低限の環境があればパフォーマンスを上げられます。
環境や人数が常に揃わない場合は、人数に合わせた練習メニューを作成しましょう。

むしろ野球のパフォーマンスアップに必要な要素は環境ではなく、「何を意識し、どこを改善するか」といった情報。
現在では本やスマホだけではなく、日本のプロ野球やメジャーリーグのスイングすら確認できるのです。

野球のトレーニング要素を分析し、実践方法を考える

まずは1日の練習メニューも、常に全体で動くのではなくチームを分けて効率的に動くこと。
グラウンドが使える場合はシートノックやミニゲームなどグラウンドでしか行えないメニューを優先し、時間やプレー数を決めてローテーションさせる。
人数が余る場合もメインポジション以外の練習、ランナーやコーチ、審判など積極的に参加しましょう。

練習要素を環境で分類する

グラウンドが全面使えない、曜日でしか使えない、と言った場合の練習メニューを作成しましょう。
限定された状況下で練習メニューに求められることは効率化。
こちらは人数が多すぎてチームやレベル、学年、ポジションなどで分けられた場合も同様。
例えばA~Cチームがあり、グラウンドを使えるチームが2~3日に一回となる状態など。
低学年で体作りを優先する場合は均等に分ける必要もありません。

環境が限定されていた方が練習メニューは組み立てやすい!?

仮に「何でもできて何でも用意されている」と何をして良いのか難しくなるもので、制限されていると練習メニューの方向性が決められます。
例えば週に2回しかグラウンドの全面を使えない場合、その日はシートノック、内外野連携、短時間でのゲーム…と簡単に決められたりします。

【実践例】練習時間を分割し、班を編成する

人数は15人、バッティングネットは2つ、1日1.5~2時間、グラウンドは週に1~2日全面使用可能としましょう。
後述の練習要素はほぼ全て個人練習であり、外野の飛球などは実践でしか感覚が培われにくいですが、他の練習メニューは特にグラウンドを広く使う必要がありません。
外野手も内野のノックに加わるなど積極的にポジション練習に参加するなど、人数が少ない特性をどんどん活かしましょう。

練習時間は細かく分けて休憩を挟むと効果が上がる!?

人間が最高に集中力を維持できる時間は成人でも1日30分と言われ、テニス同様に最大で一つの練習時間を15分にします。
2時間練習する場合は集中力が2時間持つように、自分がプレーする瞬間は最大限に集中するなど緩急をつけます。
練習やトレーニング間は必ず休憩時間を最低5分間はさみます。
人数調整で休憩時間が長くなる場合、その間に撮影してもらった動画を見たり、自分の理想とする動きへとイメージトレーニングをします。
慣れたら編集して後から自分の成長過程が簡単に見れるようにすると良いでしょう。

練習要素を人数で分類する

練習やトレーニングは「チームや自分にとって何のためか」を常に意識する。
全体練習で自分の改善したい捕球、送球、連携でのポジショニング(位置取り)を確認し、苦手分野は特に個人練習で補えるようにする。
補うためには練習時間以外で「何が足りないのか」を調べたりする必要がある。

グラウンド全面を使った練習

週に2~3日と全面を使える時間が決まっている場合、時間や曜日で練習メニューを変えましょう。
前半はシートノック、後半は短時間のゲームなど常に実践を意識すること。

  • シートノック(シチュエーションを決めた内外野連携)
    捕球や送球など個人練習の集大成として、また自分の弱点を探す練習要素として活用しましょう。
    弱点はグラウンド全面が使えない時に改善する目標となります。
  • カウント(2-1から)とイニングを限定した短時間でのゲーム
    3チームが作れたと仮定。
    時間の節約と緊張感をもつために3アウトで走者などは戻しますが、交代の時間を節約するために1チーム3回の攻撃を連続して行います。
    人数が合わない場合は適宜4~5アウトまでなど対応しましょう。

グラウンドを一部使った練習

  • もし内野程度のグラウンドを確保できるのであれば、内野の連携を重点的に練習すること。
    外野手もどんどん連携に参加し、ポジションは複数できるようにすると良いでしょう。
  • 例;1、2アウトー1塁、2塁、1・2塁、3塁…など、様々な状況を想定できます。
    走塁練習も全員が参加するように工夫すること。

人数に応じた練習メニューとは

ここに書かれているものだけではなく、自分たちの環境を活かしてどんどんトレーニング要素を増やしましょう。
TM・RSでは、練習メニューやトレーニング要素が簡単に組み替えられるようになっており、全員が効率的に練習に参加できます。

一人でできる練習メニュー
  • 素振り
    ただバットを振るのではなく、まずは自分にとって理想のスイングを決めましょう。
    次に動画を撮影し、現状を把握します。

    ※動画はビリーのスイング講座。
    理想が思い描けない人はやってみましょう。
    基本…理想のスイングと自分のスイングの何が違うのかをひたすら素振りと動画を繰り返し見て比較し、要はモノマネをし続けるのです。
    応用…コースの内訳を意識した素振りでも、どこへ打ち返すのか、どの球種をどの様な方向へ打ち返すのかなど、段階的にシチュエーションを決めながら行います。
    練習のための練習…二人以上で行う練習で「11種類ある山田哲人選手のトスバッティング」を推奨していますが、そのための素振りを行います。
    ポイントは、タイミングを合わせる、ミートポイントや回転軸を意識しながら、しっかりと球を押し込むこと。
    これを意識するためには素振りでのイメージトレーニングが重要になります。

  • クレイジーボール
    壁があれば一人で行うことも可能。
    スプリットステップなど基本的な技術をフルに活用し、自分の限界能力をひたすら使うと瞬発力や敏捷性のトレーニングになります。
    ※下部動画参照。
  • アジリティトレーニング
    ラダーやハードルを基本にメニューを用意し、体作りや基礎練習の一つとします。
    【参考】ラダーとハードル
  • 走り込み

    野球はあくまでも短距離と瞬発力のスポーツなので、持久走ではなく短距離や筋トレ種目を組み合わせてHIITにする。
    体力が残っているから回復をするので、常に体力を使い切ってはいけません。
    【参考】HIITとは

  • 道具の手入れ
    どんなものでも大事にすれば使いやすくなるので、安いものを使っていても手入れの練習だと思って色々やってみましょう。
    道具の手入れの時間はイメージトレーニングや心の整理にも最適です。
    ビリーは安いものもひたすら手入れして長く使う派。
    【参考】手入れ用品
  • 筋トレ
    分割法で予定を立てましょう。
    【参考】ボディデザイン公開講座
二人でできる練習メニュー
  • キャッチボール
    変化球の練習として10m程度の距離、中距離で送球を意識、投球だけではなく送球フォームの改善、体の力を上手く使うための遠投、距離を伸ばすための遠投、筋トレで上げた筋力を全身になじませる送球や投球…とキャッチボールの種類も多くあります。
  • クレイジーボール

    動画では壁に当てていますが、二人で行うこともできます。
    やってみた感想は、回転を掛けない方がイレギュラーを起こします。
    グローブの有り無しでも感覚は変わるので、工夫してマンネリ化を防ぎましょう。

  • トスバッティング
    「山田哲人選手 11種類のトスバッティング」を参考にすると良い。
    前述した通り素振りでイメージトレーニングをしっかりと行い、実際のバッティングとの感覚の差を埋めるように徹する。
    感覚をつかむため、しっかりとミートするため、振り切るため、実践を意識するため…と目的意識をもちましょう。
  • ペッパー
    一般的な軽く投げて軽く打ち返す以外に、コースに投げ分ける、少し高めに投げる、ワンバウンドで投げる、何回バウンドさせてから返す…と工夫をすれば様々な練習が行なえます。
  • ティバッティング
    できればボール出しと打つ二人で行いたい。
    ボールを打つ位置を止まったボールで確認できる。
  • ブリッツボール(ウィッフルボール)

    グラウンドが全面使えなくても、変化球打ちの練習ができます。
    様々な種類のバットも使うことで、多くの感覚を養うこともできます。
    慣れてきたら野球のバットで変化球打ちの練習をしてみると良いでしょう。
    【参考】ブリッツボール

  • 筋トレ
    補佐や負荷役として追い込みましょう。
    筋トレは常に正しい姿勢と動作、目的が必要となります。
    上記のボディデザイン講座を参考にしましょう。
三人以上でできる練習メニュー
  • クレイジーボール
    三人で三角形を作り角度を変えます。
    三人で左右方向に回す、一人に対して左右から交互に投げる。
    投げる時はセカンドでのゲッツーで体の向きを変えることを意識する。
  • ペッパー
    一人は守備、二人が左右から交互に投げる、投げた側から別の方へ交互に打つ、と言った工夫ができます。
  • ロングティー
    ロングと言ってもエリアが制限されている場合の話。
    内野の頭を超える程度が理想で、狙い撃ちを習得するための練習になります。
    危険がある場合は止めましょう。
  • 内外野ノック
    上記ペッパーの応用で、強いゴロを打つだけが練習ではありません。
    弱いゴロと軽いスローイングで練習できることは山程あります。
    反応の仕方、補給地点の判断と足の運び方、グローブの出し方、ボールの持ち替え方、様々な位置からのスローイング…など、わざとゆっくりやってみるなど本数を決めてイメージトレーニングをしておきましょう。
    ゆっくりと動作を精査しておくことで、早いプレイが要求された時に正確なプレイができるように目指します。

バッティングネットが打球の質を変える!?フライボール革命を意識して!

下記の【参考】をご覧いただけると分かると思いますが、割と低いネットが多く見られます。
現在の野球はフライボール革命とまで言われ、ボールをいかに上げる技術を身につけるかが重視されています。
全バッティングネットを高くする必要はありませんが、低いバッティングネットを揃えないようにしましょう。
【参考】バッティングネット

可能であれば練習道具を増やす

現在では様々な道具が販売されており、道具さえあれば限られたスペースの中でも練習の幅が広がります。
私はRawlings好きw
【参考】野球用品フィールドフォースRawlings