
本来は自分でゼロから始めなくてはならないが、今回は貴方の心の専属トレーナーであるこのビリーがチーム作りをマンツーマンで教えよう。
はや18年以上トレーニングの研究を続けているが、誰であろうと読むべき本は全員共通しているのだ。
一人で始めたトレーニング要素の研究も、チームを組んでじっくり行えばより細分化して研究できるようになるのである。
部活やクラブチームでの練習を充実させることを目的に、トレーニングチームを作ります。
チームの分け方は練習方法により異なり、楽しみながらチーム全体を刺激し、パフォーマンス向上を図ることが重要です。本記事では、各競技における「トレーニングメニュー・ルーティーンセット(TM・RS)」の作成方法の例を紹介します。
トレーニングチーム作りのための環境分析
トレーニングチームを作る際は、練習環境を分析し、効率的なトレーニング環境を構築することが大切。
練習やトレーニング環境の確認
- 指導者の有無や人数
- 指導者がいる場合、選手がどこまで練習やトレーニングメニューを変更できるかを確認する。
- 提案が可能な場合は、ある程度メニューが固まった段階で指導者に相談する。
- 実現可能な内容を提案することが重要。
- 先生やコーチが友好的な場合は、参加してもらっても良い。特に邪険にする必要はない。
- トレーニング環境
- グラウンドの使用可能日数や筋トレ施設、トレーニング道具の有無などを考慮する。
※ラダーなどは地面に描いても良い。無理に買う必要がない。 - 最大でいくつのトレーニング要素に分けるかを検討し、優先順位を設定する。
※ピリオダイゼーションを行うため、季節によって優先順位を変えること。
- グラウンドの使用可能日数や筋トレ施設、トレーニング道具の有無などを考慮する。
- 選手の人数と年齢
- 環境に応じて練習やトレーニングチームを決める。
- 最初は固定で分けるが、慣れたら怪我防止のために曜日、練習、学年ごとに練習内容を調整し、セット数やレップ数を加減する。
- 時間配分がパフォーマンスの向上に!?
- 集中力は大人でも最高状態を15~30分しか維持できないと言われるため、最大でも15分ごとに練習要素を変更する。
- 練習は細かな休憩中にイメージトレーニングをするとより定着すると科学的に実証されているため、5分の短い休憩を挟みながら、イメージトレーニング(休憩)を取り入れると効果的。
その間に水分や栄養補給を行っても良い。 - 練習メニューやトレーニング要素を切り替えるたびに休憩を5分挟むか、10分で切り上げて5分休憩するなど決めておく。
- 同じチームでも少しずつ時間をずらすなど工夫をすれば、多少の人数調整は簡単にできるようになります。
- どうしても上手く配分できない場合は、休憩や筋トレ、動画撮影、自己分析の時間に当てると良い。
目標設定とTM・RSの作成
一度一週間分のTM・RSを作れば入れ替えるだけで新しいメニューを作成できるようになるため、マンネリを防ぐこともできる。
- 目標
ピリオダイゼーションに合わせて長期、中期、短期の目標を設定し、チームの特色を決める要素とする。定期的に見直しても良い。 - 曜日によってトレーニング要素を選択する
環境から実践可能なトレーニング要素とメニューを選び、優先順位を付ける。
(例)グランドが使えない日は、筋トレ、瞬発力系、アジリティなどを優先する。
競技に対して瞬発系と持久系どちらのトレーニングが優先なのか、強度の設定はどれほどなのか。 - 練習やトレーニングメニューの構築
人数で班を分け、各班が10~15分で行えるメニューを組む。
(理想はアジリティや筋トレ、ダッシュなど適切な順序で作る。)
間に5分休憩を挟み、ローテーションを組んで回っていく。 - 理想のトレーニング順序に更新する
トレーニングには相性があり、タイミングにより効果が変わる。
例えば筋トレのタイミングや、方法、強度とセットなど、研究を行いながらTM・RSを更新すること。
上図は野球でTM・RSを作った例。
グランドが使えない設定なので、空いたスペースでも行えるメニューで構成した。
▶TM・RSのおさらい
トレーニング研究の拡大と分析力の向上
以前紹介した個人でのトレーニング研究を常識とするならば、トレーニングチームで行うべきは専門性の研究。筋トレや栄養学、アジリティやクイックネスを伸ばすためのグラウンドトレーニングなど、各トレーニング要素でYoutubeや参考文献へと進み、一定の期間毎に練習メニューの更新を目標とする。※各分野で得意な人たちを分野ごとに分けて研究すると捗る。
個人的には担当分野もローテーションで回すことで全員の知識がどんどん高まるとは思うのだが、無理だろうか?(。・_・。)?
分析は常にミクロとマクロで行う
個人の分析に加えて、チーム単位で競技性などを加味して様々な分析を行う。
分析はミクロ(微視)とマクロ(巨視)で行い、チーム内で個人の分析を評価しあっても良いだろう。
分析した内容からチームで長期と中期、短期の目標を更新し、トレーニングメニューにも反映させる。
反映させたトレーニングメニュー内で、個人のレベルに合わせてメニューを微調整できれば理想的。
部活やクラブチームでのトレーニングチーム作りは、環境分析と適切なメニュー構築が鍵となります。競技特性や年齢に応じたメニューを作成し、効果的な練習を行いましょう。TM・RSの考え方を取り入れることで、チーム全体のパフォーマンス向上が期待できます。