サッカーの練習メニューを充実させるために、様々なトレーニングをメニューに組み込みましょう。同じ趣旨の練習でもバリエーションを豊かにすることで選手たちが楽しみながら技術を向上させ、チームの結束力を強化できることが理想です。以下では簡単な練習メニューを紹介しますので、参考にしてみてください。
ボールコントロールの技術は何の為に!?
ドリブルやトラップは何のための練習でしょうか?
組織の中に個人があり、個人の技術が高くなるほど組織のレベルも上がります。
その意識をもって技術要素のメニューを組みましょう。
何のためのドリブル練習?常に実践を想定した練習を!
ドリブルとボールコントロールはサッカーにおいて基本中の基本。
コーンを配置してドリブル練習をすると同時に、相手との1対1の対戦を想定しながら実戦的な状況にも備えましょう。
- 技の個人練習
動画を見ながら技を一つでも増やすことで選択肢の数を増やせます。
複雑な技よりも簡単な技を増やしたり、組み合わせることから始める方が実戦向きと言えます。
技の練習は不要だと指導する人もいますが、欧州や南米サッカーを見れば分かる通り、抜くためのドリブルだけではなく、キープをするためのドリブル、パスコースを作るためのドリブルそれぞれで技があれば選択肢が増えます。
試合や練習で体が勝手に動くようになるまで技を練習しましょう。
【参考】オススメのドリブルの本 - 速さと正確さのドリブル
普段行っている直線上に並べたコーンの間をドリブルしながらジグザグに進む練習。 - コーンの幅を広めに置いてドリブル
普段直線上に置いているコーンも、幅を広げることでバリエーションを増やすことが出来ます。
コーンの直前だけではなく間でもフェイントを入れてみたり、ボールへのタッチを増やすなど様々な「余計なこと」を練習で試してみましょう。 - コーンをある程度ランダムにおいて練習
コーンの横幅だけではなく、縦幅も変えてみましょう。
普段一定のリズムでドリブルを行っていたとしても、速度を出す区間、フェイントや技を入れる区間などを決めたり、自分でイメージして変えても構いません。
コーンの縦と横幅を帰ることでドリブルのリズムとスピードを自ら乱し、それでも安定してドリブルできるようにしましょう。 - コーンを動かないマークマンに見立てる練習
動かないコーンの位置にマークマンがいると想像し、技やステップを刻みながらドリブルを行います。
ディフェンスをされるイメージが無い人は、自分がディフェンスをする立場になったときの経験を活かすようにしましょう。 - スタート地点へ戻る人の間を抜ける練習
コーンではなく動く人の間を抜けていくドリブル練習。
コーンが実際に動くだけで上手く行かなくなるドリブラーもいます。 - マークをしきらないディフェンダー
ディフェンダーはボールを奪取しきらない程度でプレッシャーを掛け、ドリブラーには自身のドリブルの間合いを覚え込ませます。 - 1対1のドリブル練習
常にボールを使いながら練習することも大事ですが、ドリブルで行き詰まったらボールを使わない基礎練習に帰ってみませんか?
イメージトレーニングの一環としてラグビーやアメフトの練習メニューで、ボールを使わずに1対1からタッチされないようにフェイントを入れて相手を抜きさる練習方法。
これは自分とマークマンの間合いや視界を保つ(ルックアップ)最適な練習メニューであり、年齢が上がるにつれて行わなくなるメニューの一つ。
パスとトラップの練習はリフティングで!?
簡単そうに見える逆サイドへの展開も正確なパスやトラップがあってこそであり、組織戦術はチーム全体の連携を高めなければ成り立ちません。
リフティングでトラップのイメージを作り、パートナーや壁とのパスを中心に正確なパスと迅速なトラップの技術を鍛えましょう。
パスの距離も長短を用意し、常に距離を変えて行いましょう。
- 個人での練習
リフティングでトラップとパスの練習を行う。
様々な技があればトラップの安定性も増すでしょう。 - 対面の練習
近い距離から徐々に遠くへと動く。
インサイド、アウトサイド、インフロントなど様々なキックを練習する。
相手にわざと変なボールを蹴ってもらったり、自身で距離感を狂わせるようなポジショニングをわざととって難しいトラップも練習すること。 - グループでの練習
3人以上へと増やし、最後はディフェンスを中に入れる鳥かごを行いましょう。
タッチ数の制限をするなど鳥かごも様々なルールを加えたりすれば、様々な練習に様変わりします。
鳥かごのルールも様々あるため、
パスとトラップは紙一重!?
本来トラップとは主に自分の足元に収めるための技ですが、味方へのダイレクトパスはトラップとパスを同時にする感覚で行います。
相手から常にプレッシャーを受ける実践では理想通りのパスが出せることは稀であり、強さや方向など必ずと言っていいほどズレます。
その際にこそ技術は必要となり、選択肢が多いほど有利となります。
ベルカンプの抜き技トラップ!?
トラップがただボールを留めるだけ、収めるだけと思ったら大間違い。
ベルカンプという選手はトラップを抜き技の一つとし、トラップで相手を置き去りにすることもあった。
トラップも選択肢の一つでしかなく、次のプレイで相手を抜くための一手としても有効であることを証明した。
【参考】ドリブルとトラップのおすすめ参考書
ポジショニングと戦術の理解
戦術の理解と良いポジショニングは試合での成功に欠かせません。
戦術のボードでポジショニングの確認や、ミニゲームでシミュレーションを行うことで、選手たちに理想的なポジショニングを身につけさせることができます。
まずはどのような戦術があるのかを本などで読み、知ることが大切。
日本代表がどのような戦術を行っているのかを知るのも良いでしょう。
練習では常に一つ上の戦術にチャンレンジし続けることも必要ですが、試合前は自分たちのレベルに合った戦術を練習しましょう。
【参考】サッカーの戦術ブログ
学生のフィジカルコンディショニングは体を成長させることも含めて計画!
サッカーは激しい運動量が要求されるスポーツであり、選手たちは厳密な体調管理(フィジカルコンディショニング)を行って初めて試合中に最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。
成長期にある学生のコンディショニングには体の成長まで含まれているため、より複雑な栄養管理や体力管理が求められます。
スピードと敏捷性の向上
素早い動きは相手を出し抜くための重要な要素であるため、コーンドリルや障害物を使ったトレーニングで選手たちのスピードと敏捷性を向上させましょう。
最高速度を上げるには筋力が必要になります。
持久力トレーニングも短距離走のスプリントで!?
試合中に最高のパフォーマンスを維持するために、持久力トレーニングが必須。
かつては長距離走で持久力をつけていましたが、瞬発力の速筋が失われていきました。
そこで現在では短い間隔でスプリントを何度も行い、持久力を向上させています。
スプリントを繰り返すことで持久力に加えて速筋までも発達させることが出来るようになり、サッカーのパフォーマンスがアップすることが確認されています。
コンディショニングで試合のパフォーマンスアップ
日本人は体力を消費し自分を追い込むことを美徳と思いこんでいますが、試合で最高のパフォーマンスを発揮せねば意味がありません。
それは練習試合でも同様で、練習試合から試合前の体調管理(コンディショニング)を試すことで様々な準備をする必要があると確認できます。
例えばグリコーゲンローディング法が有名でしょう。
グリコーゲンローディング法とは、体内に貯蓄するエネルギー(グリコーゲン)を通常の1.7倍にまで高める方法。
【参考】グリコーゲンローディング法
これらの練習メニューを組み合わせることで、サッカー部の選手たちは技術、連携力、フィジカルコンディショニングの面で均衡の取れた成長を遂げることができます。選手たちが楽しみながらトレーニングに励むことが、より良い成績を収める一因となるでしょう。
成長期にある選手は特に技術よりも体の成長を優先させた方が良いこともあり、トータルで体調を管理する必要があります。
ボディデザイン有料講座では基礎的な体調管理法の習得を目指し、スポーツパフォーマンスを最大限に引き出すための理想的な生活習慣を紹介しています。
【参考】ボディデザイン有料講座