猛暑が続く中、糖分を含んだ清涼飲料を続けて大量に飲むことで体調を崩したり、昏睡(こんすい)状態に陥る急性糖尿病、通称「ペットボトル症候群」への注意が高まっている。
ペットボトル症候群(ソフトドリンクケトーシス)とは清涼飲料水での急性糖尿病のこと
ペットボトル症候群の正式名称をソフトドリンクケトーシスと言い、軽症の2型糖尿病患者さんの中でも特に若い肥満の方が多くみられます。
ペットボトル症候群は、糖分が大量に摂取された時に体内の血糖値が急激に上がるために起こるもので、特に糖尿病患者や肥満の傾向がある人は少量でも危険な状態に陥る可能性があります。
ペットボトル症候群は悪化しやすい
糖質を多く含んだ清涼飲料水を大量に飲み続けると血糖値が上昇し、インスリンの働きが弱わまります。
すると糖質を細胞内に取り込めなくなり、代わりに脂肪が分解されるようになります。
その脂肪の分解によって生じるケトン体が血液中に増えた状態のことをケトーシスといいます。
ケトン体は酸性物質であるため体内に蓄積し、血液が酸性に傾いた病態をケトアシドーシスといいます。
ペットボトル症候群の症状
患者さんは「著しい喉が渇く、体重減少、倦怠感など」の症状をうったえ、さらに甘い清涼飲料水を飲みたくなります。
このペットボトル症候群は補液、インスリン投与にて比較的早期に改善し、最終的には経口血糖降下薬や内服なしでの治療で経過観察にまで回復することもありますが、治療法を誤ると意識障害を起こしたり昏睡状態になるなど、雪だるま式に悪化することもあります。
医療関係者は「糖質が入ってない水やお茶、合わせてビタミンの補給など」を勧めています。
夏場のスポーツドリンクにも要注意!
コーラなどのソフトドリンクにはのペットボトル1本(500ml)には角砂糖14~16個、スポーツドリンクなら安心と思うかもしれませんが、スポーツドリンク(500ml)にも角砂糖5~8個分の糖が含まれているため注意が必要になります。
スポーツ時はアミノ酸やミネラル、ビタミン群を合わせると回復に効果的ですが、昨今のような40℃前後でのスポーツは日射病や熱射病だけではなく、ペットボトル症候群の危険も合わせて覚えておきましょう。
【参考】
①スポーツドリンク
②糖尿病