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 「神経系トレーニング」という言葉をよく耳にしますが、そもそも神経系とは何を指すのでしょうか?運動神経や反射神経など、医学的に存在しない神経をトレーニングする前に、言葉の意味を正しく理解することが重要です。

運動神経と反射神経の混同

神経回路のシナプスのイメージ運動神経について考える際、多くの人が漠然としたイメージを持っていることに気づきました。その原因は、「反射神経」という言葉との混同にあります。

日本では昔から「足が速いと運動神経が良い」→「運動神経が良い人は反射神経も良い」というイメージが一般的で、運動神経と反射神経が同一視されがちです。

しかし、運動と反射は全く異なるものです。運動神経が反射神経に飛躍し、さらに「反射」と「神経」の言葉が混ざり合うことで、混乱が生じているのです。医学的には「反射」という言葉には多くの意味があり、一般の人がイメージする反射神経とは異なります。

反射、反射神経、運動神経の定義

言葉の定義を明確にすることで、神経系のトレーニングを正しく理解することができます。

  1. 反射
    脊髄反射(伸張反射、屈曲反射、交叉性伸展反射など)や脳幹反射(姿勢反射、呼吸反射、咀嚼反射など)があります。(出典:世界大百科事典)
  2. 反射神経
    医学用語としては存在しません。「一般に事に応じて直ちに反応する能力」を指し、運動分野では「脳からの命令に反応する速さの能力」、つまり反応能力を表す言葉として使われます。(出典:日本国語大辞典 第二版)
  3. 運動神経
    スポーツや技能などを巧みにこなす能力を指します。
    つまり運動能力のことです。運動能力には反射能力も含まれます。

結論

「運動能力」「反射能力」に対し、「〜能力」ではなく「〜神経」と表現したことや、運動能力に反射能力も含まれることが、言葉の意味を曖昧にしている原因と考えられます。